一日だけの参観日



個人的に【最高の心霊写真】と絶賛する1枚である。

いわゆる二重写しに見えるほど生身の人間に近い姿ではなく、 むしろ“半物質化”のエクトプラズムの状態に近い姿の霊であると言える。 もし仮にこの姿が、外の何かが窓に反射して写った、 あるいは室内の何かがガラスを通して写ったと考えるならば、 かなりの無理が生じるだろう (いずれの場合でも、その白いものが写し出された以外の窓ガラスにも何らかの変化があってしかるべきであろう)。 また実際の人間が顔を覗かせていると考えても、そのような白い影状に顔が写るということはないはずである。

そのような物理的な条件の部分以外にも、この写真には他の心霊写真を凌駕するものがある。 それはエクトプラズム状の顔に“表情”が見えるからである。 自分達の作品を掲げて楽しそうな表情を見せる子供達の姿を、後方の窓の物陰から見つめるその顔は、 間違いなく不安や悲しみの感情で一杯であると誰もが認めるだろう。 生身の人間を彷彿させる霊ですら大概は無表情である。 怒りや憎しみ以外の感情をここまで明白に見せた霊の写真はこれ以外にはないと思う。 もしかするとこの霊は、最近亡くなったばかりの若い母親の霊ではないかと、ふとそのような気がしてしまう。 恐怖の中にも哀しみに満ちた感情を想起させる1枚である。



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