定番の集合写真に写った霊であるが、他の類似の写真とは一線を画するほど不気味な写真である。
最も際立っている点は、実際の被写体と顔の位置関係である。
本来なら被写体の背後から顔を覗かせているはずだが、
ここではどう考えても被写体よりも前に顔があるとしか言いようがないのである。
写真ではちょうど真っ黒に塗り潰された場所(問題の顔の上側)には、
実は背広を着た男性の腕があるはずなのだが、その腕より前方に顔があるのだ。
つまり、その顔によって後方の男性の腕がさえぎられて写っていないのである。
そしてもう一点。表情が穏やか(というよりも笑みを浮かべている)霊は非常に危険である。
肉親知人の類であれば良いのだが、全く赤の他人の霊が笑っているということは、
霊の目的に叶った状況になっているということである
(“霊の目的”というのは生身の人間にとって良くないことが圧倒的に多い)。
霊の種類としては浮遊霊であるとされるが、
もしかするとこの写真に写っている誰かに憑依してしまっている可能性がある。
理不尽な目的でさまよう霊が「我が意を得たり」と満面の笑みをこぼしていると考えると、
その恐ろしさは言いようがないものになるだろう。
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