どう見ても少年が後ろにいるとしか言いようがないのだが
(まさかこれを「カーテンの影」という者はいないだろう)、
どう考えても彼がいる場所には生身の人間が位置することは不可能である。
しかも、被写体の女性と比べると、あまりにも顔が小さい。
その無表情な雰囲気も相まって、かなり気味の悪い写真になっている。
バス旅行の楽しい雰囲気に誘われて寄ってきた浮遊霊であろう。
多分何かの事故や病気で楽しみにしていた旅行に行けずに亡くなった少年の霊であろう。
背後から様子をうかがうような霊は、
たいてい被写体に対する羨望や嫉妬といった感情を持っていると言われている。
ただしこのような霊の全てが何らかの霊障(憑依による)をもたらすかと言えば、
そうではない。むしろただ旅の間だけ一緒に行動し、
そのあとは新しい旅人を見つけて憑いていくケースの方が多いようである。
これらの霊が支配されている感情は“楽しいことがしたい”ということであり、
決して“他人の不幸を喜ぶ”ものではないからである。
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