欲しかった物



昭和53年3月、北海道釧路市の某宅で葬儀があった。 2枚の写真はこのときにプロの写真屋が撮ったものである。 この2枚の写真に収められた故人の遺影に注目して欲しい。 左の方は“無帽”であり、右の方はそれに対して“帽子をかぶっている” (ページの折り目になっているので、下に遺影の部分だけ拡大したものを載せている)。 数ある心霊写真の中でも屈指の説明不能のものである。

鑑定の中岡氏もこの写真にいたく興味を示し、実際にこの宅を訪問して実地調査している。 そしてわかったことは、遺影に使われたオリジナルの写真は無帽である、 写真と同じ位置で再度撮影したが電灯の笠などが写り込んだとは判断できない、の事実であった。 さらに遺族に聞くと、故人は亡くなる少し前に、 母親がかぶっていた同型の帽子を欲しがっていたという。

故人の霊は自分の葬儀の場に必ず立ち会うという。 多分この故人の霊もこの葬儀の場に居合わせたのだろう。 そして自分の遺影の中で、生前果たせなかった願望を実現させたのだろう。 そう考えるのが最も合理的な説明のように感じる。





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