死んだ子を想う



自宅で撮られた写真である。母親が赤ん坊を抱いている背後に巨大な赤ん坊の顔が写し出されている。 実は母親が抱いている赤ん坊は第二子であり、この写真を撮る1年ほど前に第一子を亡くしているのである。 そしてその死んだ赤ん坊が背後に写っているというのである (ちょうどこの赤ん坊が写っている部屋に、その子の位牌が安置されていると説明が入っている)。

当然兄弟であるから、二人の赤ん坊が似ているという指摘はうなずける。 だが、それを証拠として二重写しであるという結論を出すのは早急である。 もし窓に写った赤ん坊が二重写しであれば、次の事実をどう説明できるだろうか。 この大写しになった赤ん坊の顔は、窓の枠の部分にさえぎられるように写っていない部分があるのだ。 もし仮に二重写しであれば、窓の枠の存在によって顔がさえぎられることはない。 間違いなく白い枠にも肌色が混ざり込むはずである (実際、目の部分とカーテンは二重写し状態になっている)。 そして窓枠で顔がさえぎられているということは、この赤ん坊の霊は自分の位牌のある部屋から、 外にいる親と兄弟をじっと見つめているのである。



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